消費者がコストを負担
私たち消費者にとってこの法律の一番大きなポイントは、使用済み自動車のリサイクル料を消費者に負担させている点であろう。平成15年1月1日の法律施行以後に新車を購入する場合は購入時点、施行前に購入しすでに所有していたユーザについては次の車検時までにリサイクル料を支払わなければならない。リサイクル料の支払い証明書がないと車検が受けられなくなってしまう。


リサイクル料金の支払いと相場
自動車の所有者は、そのリサイクルに要する費用を負担する義務がある。制度施行後に新たに購入した自動車については、新車購入時に支払う。制度施行時すでに自動車を所有している所有者に関しては、最初の車検時に。そして車検を受ける前に使用済みとなる自動車の所有者に関しては、引き取り業者への受け渡し時に支払う。

1台の車に対して原則的に1回の支払いとなる。
所有者から支払われたリサイクル料金は、エアバッグやシュレッダーダスト等のリサイクル、またフロン類の廃棄等に使われる。環境省は、2015年までに車全体のリサイクルを95パーセントにすることを目標としている。
 支払うリサイクル料金は、自動車のメーカーや車種、装備(エアバッグ等)によって異なる。
一般車両は通常7000円~18000円程度であることが多い。経済産業省が、各自動車メーカー・輸入業者等に調査を行った結果、以下の金額が目安となることが分かった。

軽自動車・小型自動車:7000円~16000円程度
普通乗用車     :10000円~18000円程度
中型・大型トラック :10000円~16000円程度
大型バス      :40000円~65000円程度

なお、詳しいリサイクル料金は各自動車メーカー等がウェブサイトで公表している。

自動車リサイクル料金は、その半分以上をシュレッダーダスト処理費用が占めている。さらにエアバッグ類の費用、フロン類の費用と続き、情報管理料金130円や資金管理料金380円(または480円)が加算される。情報管理料金とは、使用済み自動車の流れを電子情報で管理する為に必要な料金であり、資金管理料金とはリサイクル料金の収納や管理に必要な料金のことを指す。

 納付された費用は、自動車メーカーの倒産などによる減失等を防ぐ目的から、資金管理法人が管理する。自動車メーカー等はシュレッダーダスト等のリサイクルに当たり、料金の払い渡しを請求する。


支払えば得をする?
このリサイクル料が高いか低いかは人それぞれであるが、自動車リサイクル法案は消費者にただ負担をしろ、というばかりではなく、経済的インセンティブを与えるためのアメも用意している。新車購入時、および車検時に納めることを義務化されている自動車重量税の還付制度である。自動車リサイクル法案に基づき、廃車時に適切に引取業者に使用済み自動車を引き渡せば、自動車重量税の過払いとなっている残存期間分を換金するというものである。

通常、自動車重量税は家庭用の標準1.3トンの車では年間1万8,900円である。これを新車購入時に3年分、車検時には2年分まとめて支払うこととなり、以前は仮に車検の1年後で廃車となっても過払いとなる残りの1年分は返ってこなかった。
今回の法案で言われている還付制度では、もし廃車時に過払いとなっている自動車重量税があるとすれば、その残存期間分が返ってくることとなる。しかしながら、この還付制度はもともと多く払いすぎている金額が返ってくるだけであり、納税額が適正になるというだけで消費者は根本的に得をしない。また廃車のタイミングによっては何も得られない所有者も出てくることだろう。この制度がどれだけのインセンティブになっているかは微妙である。


使用済み自動車の引渡し
使用済みとなった自動車は、保健所設置市の登録を受けた引き取り業者に引き渡すことが義務付けられている。その際「引き取り証明書」が発行されるので、必ず受け取ることが必要である。