日本国内で現在保有されている自動車の数は約7800万台、そのうち約400~500万台もの自動車が年間に廃棄処分されている。これらの自動車は廃棄処分されるとはいえ、非常に多くの有用金属や部品を含んでいる。そのため、従来は解体業者や粉砕業者を通じて車体の約80パーセントにリサイクル、処理が施されていた。

 車体を解体・粉砕する際に出るシュレッダーダスト(粉砕くず)には、非常に毒素の強い有害物質が含まれている。そのため、基準の厳しい管理型処分場にそれらを捨てることが法律で義務付けられている。ところが近年、産業廃棄物最終処分場の逼迫によるシュレッダーダストの処分費用の高騰、鉄スクラップ価格の低迷により、廃棄自動車から生じるシュレッダーダストの減少を提言する必要性が高まってきた。また、費用を支払って使用済み自動車を引き取ってもらうという逆有償化減少が生じ、その負担を嫌った業者などによる不法投棄や不適正処理の問題も社会問題として浮上してきた。
 
 このような状況を背景に、1997年5月、通産省(当時)は「使用済み自動車リサイクル・イニシアティブ」を策定、リサイクル率の向上や有害物質使用の削減を求めた。
 そして2002年には「自動車リサイクル法」を設定。廃棄自動車から出るエアコンの冷媒として使用されているフロン類、爆発の危険性があるため処理が難しいエアバッグ類、使用済み自動車から有用資源を回収後に残るシュレッダーダスト、の3品目のリサイクル・適正処分を自動車メーカーに義務付けた。さらに、本格的に施行される以前の2002年10月にはフロンの回収をスタートさせた。

 リサイクルを通じて循環型の社会を形成してゆくために、車メーカー・輸入業者・関連事業者・車の所有者がそれぞれの役割を明確に定め認識し、車の再利用を通じて地球環境を守ってゆくことを目的とした法律が「自動車リサイクル法」である。
基本的に全ての4輪車所有者に対しリサイクル料金の支払いが義務付けられている。また、すでに車を所有している所有者に対しても2005年1月以降の車検や廃車の際に料金が発生する。